2011年10月29日土曜日

外部第三者機関による事業価値の算定

UPDATE1: オリンパス<7733.T>、ジャイラスや国内3社買収で違法や不正はない
ロイター
T: 株価, ニュース,
レポート)は27日、過去の買収案件についての詳細を公表した。
外部第三者機関による事業価値の算定が実施されていると指摘した。

【オリンパス買収疑惑】 漂う「仕掛け」のにおい…疑惑だらけの高値つかみ
MSN産経ニュース
オリンパスが、医療関連の産業廃棄を手がけるベンチャー企業アルティスを08年までに288億円で買収した
際に用いた企業価値算定書、つまり買収価格見積書だ。
(フジサンケイビジネスアイ)
オリンパスはM&Aを経営の中核に据えていた。06年5月から08年4月 ...
「オリンパス株式会社御中 株式会社アルティス 株主価値算定報告書 2008年2月29日」と表紙に書かれた内部資料が手元にある。横書きA4サイズで計14枚。オリンパスが、医療関連の産業廃棄を手がけるベンチャー企業アルティスを08年までに288億円で買収した際に用いた企業価値算定書、つまり買収価格見積書だ。

まずは基本となる計算手法。算定書では将来のキャッシュ・フロー(現金収支)を割引率を用いて現在価値に引き直す「DCF法」だけを用いている。300億円にも達する規模の案件なら、仮にベンチャー企業とはいえ、通常なら類似会社の取引比較、純資産や利益を用いた倍率などさまざまな算定手法を並行的に用いるのだが。

ターミナル・バリュー(継続企業価値)の算定では、通常なら複数の類似企業を参考にするところ、1社だけを引用している。プロの見積書としては物足りない。「コア事業である医療事業とのシナジーを狙った」とオリンパス側は説明するが、相乗効果の価値についても触れていない。学生の答案なら、Bマイナスのレベルだろう。

 極めつきは事業計画書だ。08~12年度を予想しており、売り上げの増加率は年135%(複利)。尋常でない伸びだが、成長の源泉となる技術や資産の評価には触れていない。12年度に急に運転資本が減少に転じたり、ターミナル・バリューを求める際に税引き後でなく税前利益を使ったり。DCFの見積もりが大きくなるような「仕掛け」のにおいが漂ってくる



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